子どもの頃、ゴム風船でアタックやレシーブなど、バレーボールの真似事をして遊んだ経験はお持ちですか?
ボールよりも柔らかくてゆっくり動く風船は、子どもにも扱いやすく家具なども傷つけないため、部屋の中でも楽しめる遊びの一つです。
ボールを床につけないなど自己ルールを設け、トントンと風船をたたくだけでも楽しく、気づけば息が上がるほど夢中になっていたこともあるでしょう。
ゴム風船を使用するバレーでは、けがをする危険性がほぼなく、ゆっくりとした動作でも対応できる他、腕を伸ばすなど運動量も多いため、健康維持にも有効なスポーツです。
現在では、遊技としてだけでなく、競技としても認知されるようになった風船バレーの歴史についてご紹介します。
石川県で世界初の風船バレー大会
1986年、石川県七尾市の障がい者支援施設青山彩光苑に勤める作業療法士を中心に、風船バレーは考案されました。
コンセプトは、「重度の障がいがあっても、その障がいを乗り越え、共通の楽しみと安全な競技を!」であり、翌年には青山彩光苑にて世界初の風船バレーボール大会が催されました。
1990年には常陸宮様ご夫婦、1994年には当時の皇太子殿下と雅子妃殿下が風船バレーボールの試合を観戦され、観戦の様子が写真に残っています。
風船バレーが誕生した当時は、障がい者用スポーツどころか、そもそも様々な競技に障がいのある方が参加する、ということがあまりない時代でした。障がいがあっても、また子どもや高齢者でも安全にスポーツを楽しむ権利があり、個々の能力を発揮できる場が必要です。そこで青山彩光苑の職員たちが知恵をしぼり、レクリエーションで全員参加できるスポーツを創作することになったのが、風船バレー誕生のきっかけです。
当時は大型風船の販売が身近になく、簡単には手に入らないため、一般的なサイズの風船をいくつか大型の袋に入れたものを使用しました。これが風船バレーの原型となり、その後もより動きやすさと安全性が検討され、少しずつルールが確立されていきます。
風船バレーは、障がい者施設から医療機関へと広まり、遂には県大会を行うまでに発展しますが、1990年代には高齢化社会が問題視されるようになります。そこで時代の移り変わりとともに実施されたのが、シルバー部門の新設です。風船バレーは、障がい者や高齢者が楽しめる競技としてますます広まるきっかけとなり、現在でも、石川県では年に1度のペースで風船バレーボール大会が開催されています。
北九州市
1989年、北九州市でも1人の障がい者が「重度の障がいがあっても一緒に楽しめるスポーツはないかな?」とつぶやいたことで、風船バレーが始まりました。
それまでは、障がいのある方と健常者がともに楽しめるスポーツはまだありませんでした。そこで、障がい者施設で風船を使ったレクリエーションをスポーツへと発展させて誕生したのが、風船バレーです。
1990年以降に全国大会が開かれ、2017年には韓国から初の海外チームが参加するなど、さらなる広がりを見せています。
風船バレーは、1980年代後半から1990年にかけて、体の不自由な方でも参加できるスポーツとして生み出されました。風船バレーは障がい者の方とそうでない方が一緒に参加できる競技として、全国大会が開催されるなどますます広がりを見せています。
風船バレーが生まれた当初は、大きな風船の入手が難しく、通常サイズの風船を袋に複数個入れたものを代わりとしていましたが、競技として広まった今日では、通販で簡単に購入可能です。
子どもから大人、高齢者の方まで楽しめるレクリエーションとして、風船バレーは大変人気があります。
かねますやゴムは、1950年(昭和25年)創業のゴム風船専門店です。一般的なゴム風船をはじめ、リハビリ用風船、メイキングバルーン、水ヨーヨー風船、ジャンボ風船など幅広い種類の風船を販売しております。風船バレー協会公認風船の取り扱いもございます。
学校やリハビリ施設で風船バレーをご検討中の方は、ぜひご活用ください。